2011年11月2日水曜日
モダンタイムズ 伊坂幸太郎さんの文庫本がでていたので購入した感想
伊坂幸太郎さんの『モダンタイムズ』が文庫本になっていたので購入した。
<あらすじ>
主人公はSEで、あるシステムの変更を行う。そのシステム変更には前任者がいたが、このシステムの秘密を知り失踪してしまう。
主人公は、その秘密に興味をもち秘密を解読しようとする。そこである特定のキーワードがチェックされていることがわかる。
そのキーワードをネットで検索するとその人に不幸なことが起こる。そうして主人公は、奇妙なことに巻き込まれていく。
という話で始まっていく。
ネットが普及している今、すこし怖くなります。
匿名性があるといっても、ネットを管理している側ならIPアドレスから使用者を特定することも可能であるということ。
実は自分たちの知らないとこで監視されているのでは・・・。
なんだか都市伝説の話にでてきそうです。(絶対検索してはいけないキーワードって)
この話がすすむとさらに、この仕組みの背後にはもっと大きな存在がかかわっているのではと疑いがでてくる。
世の中の仕組みについていろいろ考えさせられる話でした。
『モダンタイムズ』を読んで印象に残ったフレーズの一つにナチスのアイヒマンの話がでてくる。
『システムが巨大化し複雑化し、その効果が巨大化になると、人から全体を想像する力が見事にうしなわれてしまう。
・・・
細分化された仕事を任せた人間から消えるものは』
・・・
『良心だ』
このフレーズが印象に残りました。
この部分もこの作品のテーマの一つになるのでしょう。
これは会社で働くことに置き換えて考えてしまった。
会社は、お金を儲ける巨大なシステムだろうから。会社がいい方向に向いていればいいが、よくない方向に向いてしまっていたなら、
誰もがアイヒマンになってしまう可能性じゃないか。
恐ろしいことだと感じた。全部がすべてこうなるわけではないだろうが。
どうしたらいいものなのでしょうか。
この作品は、以前出版された『魔王』の続編的位置づけだそうです。
前回の登場人物にゆかりがある人物やエピソードも出てきます。
『モダンタイムズ』だけでもおもしろいですが、この作品を読むことでさらに楽しめる。
『モダンタイムズ』の文庫本は上下巻にわかれていますが、上巻だけだとそうは思いませんが、下巻から結びつきが強くなってきます。
前作読んでもったことだが、弟の能力は魅力的だが、兄の能力は使い方に悩む。いたずらに使う
とか、好きなひとに告白させるとかそういことにしか使えない・・・。
好きな人にはちょっと使ってみたいかも。
過去記事
最近雨つづきですが、もし近くにこんな人がいたらもしかして・・・ 文庫 死神の精度 伊坂幸太郎