2011年6月16日木曜日

戦雲の夢 司馬 遼太郎  戦国時代の話で長曾我部という人の話がでてきます。



<あらすじ>
土佐22万石の大領を率いる長曾我部盛親は、関ケ原の戦いに敗れ、一介の牢人の身に落ちた。恥多い謫居の中で、戦陣への野望を秘かに育くみ、再起を賭け て、遺臣たちと共に大阪夏ノ陣に立ち上ったが……。大きな器量を持ちながら、乱世の動きにとり残された悲運の武将を、鮮やかに描き出した長編小説。



前にプリンセストヨトミを読んだときにでてきた長曾我部。えらい変わった名前ですが、元ネタはこの本にでてくる長曾我部のことをいっているのでしょう。

この長曾我部は、戦国時代に戦国大名になった人物で今の四国の高知県(その当時は土佐と呼ばれていた)で活躍していた武将で、長曾我部盛親の父親の長曾我部元親のときに四国を統一したという力をもった家柄でした。

この前、NHKの竜馬伝やっていましたが身分に差がついていて上士と下士に分けられていて下士は屈辱を受けていましたが何故か?というのがこの本の時期の話がかかわってきます。

感想としては、この長曾我部盛親は生まれた時期がよくなかった、ということでしょうか。能力は高いが、時期が難しい時期だったのでよけいに力を発揮できなかった。時期は豊臣秀吉が死去し、徳川家康が天下を狙おうとしている時期です。関が原の戦いで、本当は徳川側につこうとしたがうまくいかず不本意ながら豊臣側について敗退。しかもほとんど何もせずに。これだけで徳川から家をつぶされ流浪の身に。家臣はばらばらになり、後の大阪夏の陣では家臣と相対して戦うはめになる。

不運としか言えない話ですね。ただラストは、『長曾我部盛親がんばれ』と応援したくなりました。生まれた時期がもっと早ければと思ってしまいます。(たしか伊達政宗もそういわれてますね。)


著者は、歴史小説では王道の司馬 遼太郎です。他の著書は、巻数が複数ですがこの本は1巻完結しているので読みやすいし、おもしろいです。